タイ・インドネシア出張('02.4.21〜4.28)



初めて海外出張でタイ・インドネシアへ行きました。
当然仕事ばかりで、最終日にちょっと見て回れた
タイの風景を中心にご紹介していきます。




1.出発
 今年(02年)で、社会人生活も5年目に入る私だが、4月に初めて
海外出張に行く機会に恵まれた。行き先はインドネシアとタイ。日曜日に出発して、
日曜日の朝に帰ってくるという、典型的な「週末つぶし型」の出張だ。
海外渡航は入社前の卒業旅行以来まる4年ぶりということで、
久し振りにパスポートを引っ張り出してきた。東南アジアには1年間住んだ経験はあるが、
インドネシアもタイも初めて足を踏み入れる国なので、どんな文化や風景が見られるのかと
楽しみにしていた。(というより、東南アジアも2カ国しか知らないと言うべきか)

 日曜日の朝、名古屋空港に集合。シンガポール経由でジャカルタまで、計8時間の飛行機の旅だ。
ジャカルタまで直通便がないのが不便ではあるが、SQ(シンガポールエアライン)のファンで、
かつシンガポールに思い入れのある私としては、チャンギでのトランジットも楽しみなので、
まったく問題ない。
 チェックイン時に確認すると、今日のシップはB777。しかも、ブッキングの関係か
ファーストクラスの席に乗れるとのこと。ビジネスクラスは2回乗ったことがあるが、
ファーストは初めて、しかも今回の出張で一番長いフライトでいい席に座れるとは幸先がよい。
SQは平均機齢も若く、機体が新しいのでとても楽しみなフライトとなった。
 いよいよ搭乗となり、1番ゲートからバスを使って乗り込む。さすがにファーストクラスは
席だけでなく空間もゆったりとしている。小雨の降る中を定刻通り出発し、RW34側から離陸。
水平飛行に移ると、すぐにミールサービスが始まった。


出発案内&小雨に煙る名古屋空港&機内食



2.シンガポールトランジット@〜インドネシア到着
 ミールサービスも順調に進み、食事後はアーム付きのモニターで映画を楽しむ。
幸運にも昨年流行したハリーポッターを上映していたので全編ゆっくり見ることができた。
新鋭機B777のファーストクラスは快適この上なく、シートの幅こそビジネスと変わらないものの
パワーシートでフットレストまで操作でき、かなりフルフラットに近いくらいまで倒すこともできる。
残念だったのは、往路で体力も余っていたため睡眠の必要性が低かったことくらいか(^^;
 フライトレコードカードの記入をお願いし、しばらくTVゲームを楽しんでいると、徐々に降下開始。
マレーシア上空からシンガポールを通過し、ぐるっと東へターンして南側よりチャンギ空港へ着陸。
ゴルフボール?を冠した懐かしの管制塔をながめつつ、着陸してから10分以上タキシングして
ようやくターミナルへ到着した。改めてこのハブ空港の巨大さを痛感する。


青空 & シンガポール上空


チャンギ空港の象徴 & 今回のシップ、B777


 機内から出てボーディングデッキへ移ると、さすがに南国、むっとした暑さが漂う。
機内は半袖では寒いくらいだったので一層暑く感じる。
せっかくビジネスクラスに乗っているのだから、ラウンジへ向かうことにした。
ここでもSQは充実のサービスぶりで、各種飲み物に加え東南アジアを感じさせる
菓子類や果物、軽食も用意されていた。特段空腹でもなかったが、東南アジア特有の
一種毒々しい色をした生菓子に魅かれ、早速試してみることにした。
食感は名古屋銘菓のういろうによく似ているが、ココナツの風味が効いていてなかなか美味しい。
1時間ほどのトランジットだったので、ゆっくりする間もなく次のフライトに向かった。


広いチャンギ空港の様子 & ビジネスクラスラウンジ

 続いてはB747でジャカルタまで1時間半のフライトだが、搭乗ゲートの人手不足で
思いのほか時間を取られ30分近く遅れての出発となった。
出発時刻となってもスタッフに焦りの色は少なく、淡々と手続きを続けていくあたりに
日本と違うアジアのおおらかさを感じた。ほぼ満席に近い状態で出発。
しかしこの便がちょっと驚きの便だった。明らかにまだ上昇を続けているにも関わらず、
キャビンスタッフが忙しそうにミールサービスの準備を始めたのだ。シートポケットのメニューには
なかなかしっかりした内容が記載されてはいたが、1時間半のフライト時間ではそれほどのものは
出てくるまいと思っていたが、どっこいこれがしっかりしたホットミールが出てきたのだ。
しかも美味い。当然、残さず完食してしまった。
 そしてミールサービスが終わる頃には降下開始。キャビンクルーの様子はさながら戦場である。
そんな忙しい中に、と気が引けたが、思い切ってフライトレコードの記入をお願いしてみると、
快く引き受けて下さった。お返しにSQのアンケートに答えてくれないか、と頼まれたので
当然、サービスの充実ぶりへの賛辞と、心からの謝意を書かせて頂いた。
 そうこうしている内にもどんどん降下し、ずいぶん遅れを取り戻して夕闇に包まれた
ジャカルタ空港に着陸。同行した同僚中4人は問題なく入国できたが、残り1人が
パスポートチェックで捕まってしまった。何でも「ビザが切れている」と因縁をつけられたらしい。
明らかにチップを要求しているようで、よくある話とは聞いていたがその国の心象を
悪くしてしまう出来事だった。(それに屈することなく強硬に「No」と言い続けて乗り切った
Tさんには拍手を送りたい)入国後は、インドネシアで最もポピュラーなRV車「キジャン」で
迎えに来てくださった現地スタッフの皆さんと共にホテルに向かった。


B747 & 充実のホットミール



3.インドネシアの様子
 翌朝、仕事に向かう車中から街の様子を眺めてみる。残念ながらインドネシア滞在中は
全く時間がなく、この車窓からの眺め以外は何も見ることができなかった。
 季節はちょうど雨季と乾季の間くらいだそうで、無論暑いことこの上ないが、
想像していた灼熱地獄という感じではないので、暑いのが苦手な私としては一安心。
街行く人々は当然半袖等の軽装だが、外が暑い分逆にオフィスは涼しいらしく、
オフィスワーカーの方はほとんどが長袖を着ていたのが印象的だった。
(節約すればいいのにと思うのは私だけではないと思うが・・・)
 この国の人々の平均年収はざっと10万円で、やっと年収でバイクが買える水準になったらしく、
通勤時間は街中バイクで溢れかえっている。しかし一歩郊外へ出ると、茅葺の屋根に水田という
30〜40年前の?日本のような風景が広がっていたり、ハイウェイの料金所や信号で
車を止めていると、物売りが大勢寄って来るあたり、まだまだ経済格差の大きいことを
改めて痛感せざるを得ない。また、郊外でハイウェイをおりると、
未舗装のでこぼこ道路が延々続き、これにはかなり参った。

 この国で一番印象的だったのは、20代から30代の若者でも日がな一日
軒先のベンチに座って何もしていない人がとても多いということ。
仕事すればいいのにと日本の感覚では思ってしまうが、恐らくそこまで
就業意識が高くないことと、仕事しようにも仕事がないという人が多いのだろう。
 また、都心でも郊外でも建築途中で野ざらしになっているビルやマンションが多いということ。
建築資金が底を尽き止まっているのだが、取り壊そうにもその資金がないという
にっちもさっちもいかない状況らしい。6年前にもこの国を訪れたという年配のT氏は、
「ハイウェイもでき道路も整備され、当時よりはまだよくなった」と言われていたが、
政治の混乱に起因する経済の混乱はまだまだ立ち直りきっていないということだろう。


バイク天国 & 茅葺屋根・水田の風景


押し寄せる物売り & でこぼこ道