シンシナティの生活(その1)〜立上編〜
生活圏の概略
0.シンシナティってこんなところ
もともとドイツ系移民が開拓した町で、ドイツ人コミュニティが多いらしい。
歴史的には南北戦争当時、オハイオ川を境に南北に分かれていたので、激戦地だった。
黒人は多くはないが3年くらい前に警察が不当に黒人を射殺したとして暴動が起きている。
ダウンタウンの一角は地元民でも立ち入らないとか。
でもそれ以外は平和そのもの。「財布を落としても取られず拾ってくれる」ほど平和。
治安がよくて物価が安い田舎なので、余生を送るにはとてもいいところ。
人口は20万人だが周辺を合わせると多分50万人くらいはいそう。
日本人は1,000〜2,000人。多い。補修校(小学校〜高校)でも300人〜500人はいるらしい
一言で言うなら「大きな田舎都市」例えるなら仙台とか松本みたいな位置付け。
ちなみにP&Gの本社がある。車でシカゴ・デトロイトまで4時間、
アトランタまで8時間、ニューヨークまで12時間、フロリダまで16時間。
時間はニューヨークと同じ時間帯。日本から−14時間(4月〜サマータイムで−13時間)
シンシナティの夜景
1.住居
1月25日(土)に入居。アメリカらしく「金曜日までに家具は揃う」と言っていたくせに
入ってみたらもぬけのから。さすがに家具が届いた火曜日までは家賃は免除。
運良く船便は予定よりは早く入居当日に届いたので、床に掛け布団をひいて夜を凌いだ。
だいたいの間取りは日本にいる間にご報告した通り。
家具も前任と同じところから同じものを借りているので雰囲気もまったく同じ。
ソファー×2、ソファーテーブル、電気スタンド、ダイニングテーブルセット(椅子4脚)、
ベッド、衣装箪笥、鏡なんかをレンタル。
駐車場は立体で入り口には鍵がある。(車内からリモコンで開ける)。
屋根があるので雪かきいらず。台所は食器洗い機、電子レンジ、オーブン、
冷蔵庫ありまったく問題なし。食器洗い機はうるさい。
流しにはなんとディスポーザーがついている。生ゴミはこれで処理可。
ちなみにゴミの分別は一切なし。ガラスのビン・ビールの缶から紙屑まで一緒に捨てる。
アパートの一角にある収集所に持ち込むだけ。毎日捨てられる。
アパート周辺はいたって平和な地域。ちょうど藤が丘くらいの雰囲気。
目の前にちょっとしたモールがあるし、車で5分走れば割と有名なちょっとおしゃれな
モールもある。住むにはまったく困らない。
ダウンタウンからは車で10分。会社までは川を渡るので30分弱。
ちなみにモールとはスーパーや、ブランド物の小店などなどの集合体のこと。
入居当日 & 今のリビング & キッチン
居間から見たキッチン & アパートの外観(奥が施錠する門付きの立駐)
2.気候風土
今年は異常気象らしく、朝晩はかなり寒い。最高(最低)で−15℃を見た。
昼間は0℃〜10℃くらい。1月平均で最高2〜3℃、最低−5℃くらい。
(ちなみにこちらは華氏が一般なのでわかりづらい。フィート・インチ・ポンド・オンス・参る)
一方で内陸性気候なので、−15℃の翌日が最低でも0℃くらいとばらばら。日本のように
だんだん寒くなったり暑くなったりという感じではない。
雪も結構降る。こちらはスタッドレスがなくオールシーズンタイヤ。かなりすべるので
名古屋高速並にすぐ交通が麻痺する。降ったらすぐ除雪車と融雪剤(塩みたいなの)が大活躍。
お陰で車は塩で真っ白け。
とにかく乾燥する。ニベア必須。静電気は相変わらずバチバチ。持ってきた分厚いコートは
裏がもじゃもじゃで特に静電気がひどいので着るのをやめた。今はジャンパーで生活中。
家→車→職場なのでほとんど歩かないので意外に薄着でも耐えられる。
一番雪がひどかった日 & 除雪車大活躍
3.食事
外食するととにかく量が多い。近所で美味しいメキシカン料理のファーストフードを見つけたけど
1人分でも2食は食べられる(実際そうした)。中高級レストランでも残したらテイクアウトは当たり前。
甘い菓子類は気持ち悪くて食べられない。ハーゲンダッツは安い。
レディーボーデンサイズで$3.4くらい(400円弱)。品質が悪いので一度でやめた。
多いのはハンバーガーやメキシコ料理など。イタリアンもあるが総じてまずい。パスタゆですぎ。
オハイオ川にあるシーフードレストランは文句なくうまい。生牡蠣OK。
日本食レストランは知っているだけでも3軒ある。刺身もありそこそこ食べられる。
イメージとしては浜木綿くらいのレベル。庶民にとっては普通にうまい。
車で20分くらいの所にあるジャングルジムズというマーケットでは日本食材がだいたい手に入る。
とうふ、味噌、うどん、コメから納豆、どら焼き、かまぼこ、きのこの山に至るまでナマ物以外は揃う。
普通のアメリカのスーパーでもそばつゆがあったので驚いた。
アパート近くのモールにあるスーパーでも寿司が買える。握りはマグロとサーモンのみ。
あとはカリフォルニア巻きかキュウリ、キムチなどを巻いたものが多い。おいなりもある。味は下の中。
現地調達のうどん・ねぎ・めんつゆ・わさび ジャングルジムズの日本食材コーナー 冷凍納豆
ある日の夕食
4.買い物
典型的「郊外型大規模ショッピングモール」の世界。地元民の買出しは1回/週が相場。
買い物カゴも半端でなくでかい。大人2人は余裕で入る。24時間スーパーも多く助かる。
ウォルマート、Kマートという有名どころから、ユニーとカーマとユニクロを合わせて
東野町のカーマの床面積5倍にぶちこんだようなマイヤーという店があってかなり重宝している。
物価はとにかく安い。ビールは1本100円以下。ガソリンも1L50円以下。
面白いのは日本のビールが日本より安いこと。輸入しても日本で税金払うより安いという理屈。
マイヤーとモールに行けばだいたいのものは安く手に入る。
ちなみにCDは$15〜$20、DVDでも$20〜$30くらい。
山と積まれた商品(氷山の一角) & いわゆる「わらじ」(25cm×25cmくらい)
5.交通事情
想像していたよりは早く左ハンドルにも慣れることができる。普段は反対車線に入ることはない。
ただし慌てるとワイパーとウィンカーは間違えることもある。
こっち特有のルールは、信号が赤でも車が来なかったら右折は可、等。
乗っているのはカムリ2,000cc。普通。こっちは前側はナンバープレートがない。
インターステート(高速道路。フリーウェイ)の制限速度は50マイル〜70マイル(80キロ〜112キロ)
だいたい+10マイルはOK(おおよそ120キロくらい)。パトカーの巡回は多い。
高速道路の交通量は東名並。朝晩は渋滞する。昼間は19号線よりよほど走りやすい。
夜は都市部を除いて街路灯がないので少し怖い。
インターステートの車線は3〜5本くらい。都市部でも4車線ある。標識は結構親切。
融雪剤の塩分ですぐ窓が汚れるのでウィンドウォッシャー液は予備を乗せておくことが必須。
日本のようないわゆる暴走族とかめちゃくちゃ走る車はほとんど皆無に等しい。平和。
会社から少し行った高速道路 & 郊外へ続く道 & 愛車カムリ(会社のリース)
6.会社
会社はノーザンケンタッキーの郊外にあり、とても静かでいいところ。高速道路も空港もすぐそばで
とても便利。周囲には緑が多く、駐車場とオフィスの間には池もあって鴨がのんびり泳いでいる。
鹿もいるらしく足跡だけはあちこちにある。
駐車場からオフィス玄関までシャトルと呼ばれるエスティマくらいの車が常時巡回していて、
車からオフィスですら歩かない。でも冬の零下の時はかなり助かる。
TMMNAだけでも日本人が100人近くいる。米人入れて500人くらいか。
オフィスは4F建てで真ん中は4Fまで吹き抜けになっている。ちょっとおしゃれ。
机は一人あたりコの字型1個与えられ、占有面積は日本のトヨタの4人分はある。
1Fには食堂があり、常時5つくらいのメニューから選べる。すべてワンディッシュ。
サンドイッチ、ハンバーガー、メキシカンが中心で、カレーだけは毎日ある。味付けはとにかく濃い。
スープを飲むとすぐのどが乾くので2、3回で食べるのをやめた。サラダバーは使える。
TMMNAオフィス全景
オフィス正面玄関 鴨いっぱい 内部の吹き抜け 我がデスク(赴任初日のため整理前)
7.英語
推して図るべし。
当面、火〜金の9:00〜12:00にベルリッツのような個人レッスンの学校に行っている。
これを1年続けるとさすがに予算を超えるので半年くらい続ける予定。
あとは仕事が忙しくなければ月木の夜、地域のボランティアスクールに行ったり
水曜日にシンシナティ大学で日本語講座をとっている学生の座談会に出たりしている。
8.その他生活雑感
・洗濯
前任から譲り受けた洗濯機・乾燥機で充分。乾燥機専用のシート状の柔軟材のようなものがあり、
それを使えばカッターでもアイロンなしで何とか着れるくらいに仕上がる。
普通の住宅でも洗濯物を外に干すのは景観上ご法度。
・床屋
カットのみ(顔剃り・シャンプーなし)で$11.5。安い。
あれこれ口で説明もできないのでパスポートを見せて「この長さにしてくれ」で終わり。
黙っているとジェルでガチガチに固めて7:3のジャパニーズサラリーマンにされる。
・銀行
マクドナルドからスーパーの買い物までカードが一般だが、小切手も多い。
電気・水道等の支払いは請求書が送られてくるので小切手を書いて返信とうパターンが多い。
赴任説明会時に、シンシナティに本拠を置く5/3(フィフスサード)バンクという銀行が出張してきて
その場で口座を開設してくれる。土日にATMで下ろしても手数料なし。日本からの送金も可。
・書籍
日本のものはまったく手に入らない。会社の福利厚生でオフィスに図書コーナーがあるのみ。
著者近影 体重はほとんど変化なし。テーマは"Try Something New !"
歌の会でもお世話になっている田中さん、研修で日本にもいたDave